底地ビジネスが活発に
底地っていったい何?
借りた土地に、建物を所有するため必要な借地の権利がついた土地のことを底地といいます。
その土地を借りた人である借地権者はその土地に自由に建物を建てたり、ビジネスをしたりと活用できます。その土地を使ったり売ったりできる権利を売却すると、その地主には土地の所有権だけ残る状態です。
底地を売却すると地代として一定の金額が入ってくるので更地と比較すると収益が得られます。契約の内容によっては更新料や契約料などの一時金を受け取れるので、地主や借地権者双方にメリットがありますが、底地となることで地主は土地を自由に使えません。
それにより、建物の建て替え時や契約内容によって借地権者とトラブルになることも少なくないようです。
底地に関する地主の悩み
また、地主側にとっては多くの悩みを抱えることも少なくありません。
■借地権を買い戻して所有権として売却したいが、借地人さんが明け渡してくれない
■地代収入が低く、固定資産税が高い為、手元に残らない
■底地の売却をしたいのだが、買い手が見つからない
■受け継いだ底地の相続税が大変で資産整理をしたい
■手早く現金化して、共有名義での揉め事などを解消したい
このように、地主と底地の売買に関する問題を解決し、かつ新たなビジネスにつなげることを事業としている専門業者も増えてきましたが、地主側の悩みを解決するには専門的な知識が必要です。
底地ビジネスとは
借地権のついた土地の購入は所有権のある土地を購入するよりも安く土地を利用できるため、少ない資金からビジネスを始めようと考える方が増えているようです。
旧耐震基準で新耐震基準を満たしていない建物を借地権者から買いつけ、更地にして売却をして収益を得たり、あるいは資産価値が下がってしまった不動産の建物を買いとり、リノベーションで収益をあげたりと、老朽化したビルをそのまま売り出す居抜き事業も盛んになっています。
借地権つきのマンションが有効に活用できずに悩んでいる地主からは、所有権と借地権どちらも買いとり、富裕層に売却するビジネスも。
土地を借りた側が建物の修繕や維持、再投資をするため、所有権のある地主にとっては手間がかかりません。
借地権のみの契約の場合は、期間終了後に建物を解体して更地で地主に戻す仕組みになっています。
昨今の相続税の対策として、土地を売りたい地主が増えている傾向があり、底地の専門事業者は底地だけではなく直接地主から土地もセットで購入し、借地権を売って収益にしたり、地主の世代交代をきっかけに底地ビジネスが盛りあがりを見せているようです。
定期借地契約の期間は最長で50年とされており、一定の契約が継続的に担保され、景気に左右されない収益になるということもあり、長期保有を前提とした投資家にも人気があります。
地方には空き家や木造密集地など、防災や安全の面から課題とされているエリアが多くあります。底地ビジネスは不動産の売買や再建をスムーズにするため、流動性の悪い不良資産で悩んでいる地主の悩みを解決できるビジネスといえます。
土地の売買が進まない多くの地域が整理され、不動産の流通がスムーズになることが期待できるでしょう。